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「大丈夫だよ。もう、陸ったら、連絡しないなんて何考えてるんだか!」
皮肉たっぷりに言うと
「まぁ、しょうがない。本当にごめんね。待たせちゃって。」
宮城君は汗を拭う。
「ったく、揃い揃ってお前らは!」
と藤野さんが言う。
「まぁまぁ。宮城君、制服ってことは、部活?あっ、それとも文化祭の関係?」
千雪ちゃんが尋ねると
「うん、文化祭絡みで急に集まりがあって、学校に行っていたんだけど、人使い荒いんだ。藤野さんもそうだったんじゃないですか?」
「俺は、別にそんなじゃないし。お前らのところが力入り過ぎなんじゃないのか?」
藤野先輩は呆れている。
「文化祭?9月だっけ?」
そう尋ねると
「いや、10月の始めくらいだったよね?だけど、催しものとか多いみたいで、担当者は大変みたいなんだよ。」
「へぇ、そうなんだ。良いな行ってみたいな。」
他校の学祭に興味がある。そして、宮城君の姿を見たいと言う願望も多少ある。
「お出でよ!案内してあげる!」
千雪ちゃんは嬉しそうに言う。
「俺も時間があれば案内してあげられるけど、係で結構忙しいから、逢えないけどうちのクラスの出し物でサービスくらいはするから、良かったら来てね!」
王子様スマイルで言われて、もう幸せの絶頂だった。おまけに浴衣姿を褒めてくれて本当に幸せだなとこの時は思っていた。
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