夏祭り

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 そして、陸が来ないまま、先にお店を周る。 タコ焼き、焼きそば、お好み焼き、綿菓子と定番の出店、金魚すくい、ヨーヨー釣り、射的と色々あって、楽しみだった。 「あっ、金魚すくいだ。優斗先輩、やっても良いですか!」 しっかり手を握って、ラブラブな千雪ちゃん達が眩しかった。 「ああ、後でな。最後の方にしないと金魚が可哀想だからな。」 それは保護者の様で、優しい眼差しをする藤野先輩。本当に想い合っていることが分かる。この場に陸がいなくて良かったと思っている。 「あの二人、本当に仲が良いね。」 隣を歩く宮城君に話し掛けられ、平静を装い返答する。 「そうだね。千雪ちゃん、本当に可愛いよね。恋する女の子って感じで本当に可愛い。」 「っクス。本当にね。でも、相沢さんも可愛いと思うよ。浴衣着て来るなんて女の子らしいし。周りの男共が放って置かないだろうしね。」 「もう、からかわないでよ!・・・宮城君が来るって言うから・・・」 最後の方は彼に聞こえない程度の言葉で返す。 「なんて言ったの?」 「何でもないよ!あっ、かき氷屋さんだ。カキ氷食べない?」 誤魔化すように言うとそのまま、カキ氷を買う為に並ぶ。 「何味しようかな?」 「苺も良いけど、他の味も良いよね?」 千雪ちゃんと私は悩む。 私達の番が来ると藤野先輩が全員分のお会計をしてくれて、奢ってくれた。 千雪ちゃんは苺ミルク、私はレモン、宮城君はブルーハワイ、藤野先輩は宇治金時だった。 私と千雪ちゃんはお互いの味見していた。千雪ちゃんは藤野先輩にも勧めるのだが 「俺は良いよ!//////」 照れていて、新鮮に想えた。彼女の様に積極的になりたいけど、そこまでは踏み込めない。
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