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結局、私達二人だけで戻りながら話をする。
「・・・ごめんね。一緒に来てもらって!」
「大丈夫!!だけど、あとで荒れそうだね。望みがないんだから、諦めれば良いのに。」
その言葉にズキッと胸に刺さり、苦笑する。その流れで聞いてみた。
「宮城君は、好きな人ととかいないの・・・・・・?」
我ながら馬鹿な質問だったと思う。暫しの沈黙の中、彼は
「・・・・・・そうだね。今は居ないかな。小学生くらいの頃、いたんだけどね・・・・・・上条みたいに好きな人は居ないよ。目を離せないと言う点では九条さん。見守りたくなる。」
思わず、納得してしまった。
「・・・そうなんだ。宮城君のファンが嫉妬してしまうかもね。」
「まあ、実際、皆、彼女を見ると保護欲が掻き立てられるみたいだよ。」
周りが周知しているだけど、きっと彼の特別になりたい娘は多いはず。
そこから、学校の話などを聞くが、耳にからすり抜けていくようで、内容はあまり憶えていない。
目的地が近くになると、見たことのある美少女がいたので、声を掛けた。
「琴音ちゃん?」
「あっ、里穂ちゃんと宮城君…?」
どうしたのかと訊ねれば、ゆーちゃんと言う幼なじみとはぐれたと言うので、一緒に回ることになった。
その後、陸と合流。
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