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来週の月曜日は、午後一からの月例会議。
私は、今週中には本部長に事情を
話すつもりだ。その上で、真相を会議で明らかにする。本部長には、事の真相を私が知ったことを伝えるだけ。但し、真山さん次第だ。
この計画は、真山さんという証人がいなければ成り立たない。私の独り相撲に終わる。
8時過ぎ。さすがにお腹も空いてきたので、帰ることにした。
しかし…これじゃぁ、四方堂君とつき合っていた頃と変わらない。仕事ばっかり。
『結婚なんて望まない。でも、なんか無いと駄目な気がする』
吊革に掴まり電車に揺られながら、暗い窓に映る自分の顔を見つめた。目が虚ろだ。
視線を感じて顔を上に上げると、スポーツジムの広告のモデルが、私を見つめて笑っていた。
『なにか始めよう。一つ片付いたら』
翌日は、ミーティングルームから始まった。そこで、滝沢さんの一身上の都合による退職と新規の派遣は当分ないから皆で頑張れ、との本部長の言葉を聞いた。
耳を疑った。部内は結構ざわついてる。今の仕事量でこの人数?滝沢さんの穴は大きかった!
オフィスに戻りながら、同僚たちと、『どうする?』『なんでだよ』『マジかぁ』と嘆いていたら、あや美が、かなりマジな感じで言い放つ。
「みちるも辞めちゃうかもね」
そう言えば、みちる…今日休み?朝礼には派遣社員も出なくてはならないが、みちるの姿が見えなかった。
「休みかしら」
席につきながら呟くと、あや美が椅子ごと寄ってきて小声で告げた。
「昨日結構キツかったみたいで、泣きながら、こんなのダメって。こんなの絶対続かないって…滝沢さん、戻ってはくれないですよねぇ」
あや美のショボンとした声に、私も切羽詰まるものがある。どうしたものかな…。
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