6.告白

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私は少し語調を緩めた。 「私は、早川先輩の無実を証明して、先輩の汚名を雪ぎたいのです。もしかしたら、真山さんに責任が及ぶかもしれません。その上で、お願いします…あなたの罪を告白してください」 真山さんの中で、ぎりぎりの葛藤があるのかもしれない。そう思って、真山さんが再び口を開くのを待った。 さすがにストレート過ぎたかな。もしかしたら、見切り発車となったか。 結局、私なんかがなにを言ったって、所詮この人の心に届くわけがない…私には荷が重すぎた…。 心が折れかけて、しゅんとなって俯きかけた時、真山さんの声が聞こえた。 それはとても小さな声だった。 「奈美子は、今どうしてる?今まで…どうしてた?」 少し震える声で、目を伏せ、私に尋ねていた。固い表情は今はなく、なんとなく脱力したような感じに見えた。 「早川先輩は、この年末までこっちで過ごされていたそうです。いつとは聞いてませんが、体を壊されて…それでご実家に戻られたそうです。年明けに高松で会った時はお元気そうでした。でも、もう無理がきかないと仰っていました」 ショックを受けたらしく、真山さんは私を見つめたまま暫し動かない。 「そうだったのか…苦労、していたんだな…」 真山さんは、そのまま俯いてしまった。 南雲さんの読みは確かだった。この人のこの顔を見れば分かる。もしかしたら、罪の意識があったのかもしれないと、私は少し気の毒にも思ってしまった。 「真山さん…」 それでも、ちゃんと事情を話してもらわなきゃ。 すると、真山さんは俯き加減のまま、ぼそぼそと話し出した。 「話すよ…僕は、彼女を陥れた」 やっぱり。理由は? 「先輩と上手くいってなかったんですか?別れたかったのですか?」 目を瞑り、首を横に振った真山さん。疲れが見える。 「…復讐、だよ。僕は…彼女に復讐したかったんだ」 「えっ?」 あんまりにも意外な動機を聞いた。復讐って…付き合っている恋人に、なぜ?
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