6.告白

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「…驚いているね。奈美子から、僕たちは上手くいっていたと聞いてた?」 真山さんは初めて私に笑いかけた。皮肉そうな微笑だったけど。 「先輩はなにも…ただ、他の人で、お二人が上手くいってたとは思えないという意見がありました」 「なるほど、ソイツはなかなかいい読みをしてる…もしかして…いや」 南雲さんだとは言わない方が良さそう。というか、誰と誰から話しを聞いたなんて、真山さんに告げる気はなかった。 でも、もしかしたら、真山さん、気がついてるのかな。南雲さんの存在を…。 「なぜ、復讐なんて…6年半以上つき合ったんですよね?結婚の話などはなかったんですか?」 「結婚か。それは…最初は、僕はそのつもりだった。だけど、奈美子がその気がなくて…僕は…」 真山さんは全てを話そうとしてくれている。それは分かる。でも、話しづらい訳がありそうだ。 「もし、ここだけの話にしたければ、そう仰ってください。動機については黙っていることもできます」 真山さんは、うんと頷いたような格好で、そのまま両手を置いた膝の上に項垂れてしまった。 「僕は…奈美子は、他の男に惹かれているのだと思っていたんだ。僕でなく、そいつとの結婚を望んでいるから、結婚をしたくないのだと…」 「なっ、なんでですか?早川先輩が、他の誰との結婚を望んでたって言うんですか」 何言ってんだ、この人は。 「そう思い込んでいたんだ。つき合っていた間、ほとんどずっと」 嘘でしょ…。 「そんな…一体なぜなんですか?」 グッと両手を握り合わせて、真山さんは、覚悟を決めたように私を見つめて話し出した。
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