7.援軍

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辛抱強く待ち、5分も経ったかと思われた頃、本部長が口を開いた。 「芽衣子君、その件は、あと何人が知っている?つまり、君が調べていることとこれから執行部を追及することを」 「そうですね…4人ぐらいでしょうか。証人から話を聞き出す時に、こちらの思惑も話しましたから」 「そうか…」 益々黙っている本部長。私には、考え事というより、なにかを話し出すことを迷っているのではないかと思えた。なんとなく、いつもの本部長とは違うのだ。 やがて、本部長は口を開いた。口調は至って穏やかに。 「この間言っていた、定例会にあげる案件というのがこれか」 「はい」 ふむ、と頷く本部長。 「すまんが、芽衣子君。それは一旦棚上げ、若しくは私に預けてもらえないか?」 「え?」 まさかとやはりが混じった感情が、私から言葉を失わせる。 「…本部長?」 本部長の瞳の奥に、漆黒の泉が不思議なさざ波をたてているようにも見える。 「この件に、君の出る幕はない」 「でっでも!」 「まぁ聞きなさい。奈美子君のことで君が憤るのも無理はない。そこも含めてだ。このままにはしないと約束する。今は一旦収めてもらえないか?」 私は、不思議と説得されていた。本部長の思惑など計り知れないが、『収めろ』と言われると、収めようという気になってしまう。でも…。 「それは…本部長に、なにかお考えがあるということでしょうか?」 本部長はうむと頷いた。言葉を続けない本部長。私には詳細を話すつもりがないのだと悟った。 これ以上は、ない。今夜は切り上げよう。 「分かりました」 だけど今だけですよ、私も他の人たちも、ちゃんと事の成り行きは見守っていきますよ、とは心の声。
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