7.援軍

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「君がどうしてもと言うならやぶさかではないがね。それほどの気持ちがあってのことなら」 「はい。もちろんです」 結果。『今夜は9時過ぎるが』との本部長の言葉に、気が変わらないうちにと、『大丈夫です!』と返事をした。9時過ぎに再び会う約束を取り付けた。 場所は私の自宅近くと言ってくれたので、今日は思いっきり残業するつもりで、なんだかやる気満々でデスクに戻った。 「あ、芽衣子さぁん!」 オフィスに入るやいなや、あや美が声を張り上げる。なに?どうした? あっと声を上げてしまった。あや美の横にみちるの姿が。 「みちる…来てたの?あ…体調は、もういいの?」 仮病に決まっていると思ってはいたけど、とりあえず、病欠という額面通りの対応をしないとね。 すると室長が、私の横にわざわざ来て宣った。 「体調は大丈夫だそうだよ。いやぁ、守谷さんが戻ってくれて助かったねぇ」 「はい。本当に」 私は腹の底の笑いをどうしようかと思った。本当に大変だったのはあや美じゃないのぉ。助かったって…おい。 恐らく、土日のうちにあや美がみちるを説得してくれたに違いなかった。ありがたい。よし、今日は特別ボーナスだわ! 「あや美。お手柄だね。今日のランチ、みちるも誘ってイタ飯行こう。奢るよ」 あや美に耳打ちしたら、バッと間近で振り返られ、私はあや美のうるうる目に視界を奪われた。 あや美は『ホントぉですか?うれしぃぃ…』と、声を押し殺して喜んでくれた。 早速、イタ飯屋に予約を入れておいてから、今日の仕事に取り掛かった。午後一からの会議もあるし、うかうかしていたら予約したのに自分だけ食べられないという悲しき事態も、無きにしも非ずなのだ。
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