7.援軍

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ランチタイム。いつも通りに少しフライング気味にオフィスを飛び出してイタ飯屋に駆けつけた。 みちるは、このイタ飯屋は初めてとのことで、あや美に負けず興奮していた。まだ21才。かわいいものだ。 アンティパストと食べ放題の焼き立てパン、サラダはボリュームのあるものを3人でシェア。パスタはペンネのゴルゴンゾーラソース。メインは仔羊のソテー。私は、パンにはバターよりオリーブオイルをつけて頂きたいので、いつもそのようにお願いするが、なんと今日は、お願いする前にそのようにしてくれた。 あや美が気づいて、ニヤニヤしている。 「芽衣子さん、もう、ご常連ですかねぇ」 からかってでもいるような軽口を叩く。 みちるは単純に、その食べ方はおいしいのかと、小さくちぎったパンをオイルに浸して食べて頷いていた。 こうやって女子3人で食べるのは本当に楽しいものだと思う。そういえばこういうのは学生時代以来だったなと、私は気がつく。 女子会女子会と、人事の美波がしょっちゅう声を掛けてくるのを断ってばかりいた。これから誘われることがあったら参加してみようと思い直した。 なにかを変えるには、これまでとは違うなにかを始めるのが近道。食わず嫌いはもうやめよう。 食事をすっかり平らげると、コーヒーを飲みながら時間までゆっくりした。 デザートは小さめのアーモンドデニッシュとアイスクリームにフルーツソースがかかった手の込んだものだった。 口に入れた途端、ニンマリと笑って至福の表情を浮かべるのは3人とも同じだった。
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