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満足して、四方堂君を促し、自分もせっせと椅子を積み始めた。
「なぁ、あれ、なに?一体なに企んでんの?」
気になるよね、そりゃ。悪事の片棒を担がされているのかと、ヒヤヒヤしてるよね?
「ごめん、ちょっと、知りたいことがあって」
はぐらかしてみたけど、四方堂君はちっとも納得がいかない様子だった。
このところ、ラインも既読スルーばかりだったし、早川先輩と会ったことも気にしてくれていたのに、私は無視するみたいに四方堂君と話すことを避けてしまっていた。
ドアが隠れるように椅子をどんどん積んでいった。
「この積み方だった?」
元々の積まれ方を見ていない。四方堂君は、うぅんと唸る。
「まぁ、こんなもんじゃないかな」
と請け負った。
全部積んで、フゥッと息を吐く。真冬だというのにうっすら汗もかいていた。
「手伝って貰えて助かった。そう言えば、四方堂君はここへは何しに来たの?」
崩れた時の音が聞こえたのかもしれないが、一応聞いてみた。
四方堂君が言うには、たまたま6階の本部長室にいたところ、上から音が響いたので、戻りがてら確認しに来たとのことだった。
「下に?聞こえたの?あ!」
そう言えば、真下は本部長室だ。そっかそっかぁ。
「まさか芽衣子だとはね」
相変わらずだと言われたような気がした。
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