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土日は敢えて普段通りに過ごした。
スーパーで買い物をしていたら、前にアイツから実家の手土産を貰ったことを思い出した。
『なにかお返しになる物を…』と、物色してみたものの、なんか、わざわざ買ってまでというのはわざとらしいかと考え直した。
どこかに旅行にでも行ったら買ってこよう。当分その予定はないけどね。
不覚にも、貴重な休みにアイツのことを思い出したのが妙に悔しくて、飲む気満々でワインを買って帰った。
アラサー独身女が自宅でひとり飲み。職場の人に気を使われるようになってしまった、私は立派なお局なのね。
侘しくても悲しくても、これは現実なのだ。避けようとか逃げようとも思わない。
『受け止めてやろうじゃない、現実を』
月曜日。いよいよ役員会の日。
朝、いつもの時間に出てきて、少しばかりトラブル。電車が止まっていた。
『人身事故によりぃ…』とのアナウンスを聞いて、人で溢れる改札で立ち止まった。
『えぇぇ、上りなの?』
こういうことは日常茶飯事ながら、今日という日というのが幸先の悪さを思わせる。
アナウンスに耳を傾けながら、改札で固まる。ホームの混雑を考えると、そこから動くことが出来なかった。
『タクシーも行列だろうな』
ラインであや美に、少し遅れるかもと伝えた。発生直後だけに、見通しは立たなかった。
すると、暫くしてあや美からの返信。『みちるも遅れるそうです。今朝はお姉さんの家がある三鷹から出勤だったそうです』
ふぅん。みちるはお姉さんがいるの。良いなぁ。
それから30分ぐらいで電車は動き出した。混雑を避けて、2本見逃してから乗車した。
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