9.収束

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『とにかく落ち着かなければ』 私は甘くて冷たい飲み物を一気に飲み干し、カフェを出た。 その時に四方堂君から着信。勿論切ってやった。 すると、ラインが入った。『ごめん、本当に。芽衣子にさせたいことではなかったんだ…云々』 だから、言い訳なんか聞きたくないって言ってるでしょ。 私はラインも徹底無視した。 オフィスに戻ると、あや美が驚いていた。 「あれ?早かったんですねぇ」 そうだ。あの業者だと最低でも2時間は戻ってこられない。 「うん…担当者がいなかったの。手違いよ」 弱々しい声しか出なかった。思いの外、ダメージが強かったようだ。 「…芽衣子さん?なんか、大丈夫ですか?」 すると、みちるがなにかの書類の束を抱えてやってきた。 「あ、松浦さん。先程はありがとうございました。ホントに、ホンットに助かりました」 そう言って、私に脚を見せてクルリと回る。 「なに?なにしてるの、みちるったらぁ」 ワハハと、可笑しそうにあや美が笑って、みちるも笑う。 私もつられて笑いそうになって…涙が出てきた。そのまま、私は両手で顔を隠して静かに泣いた。 オフィス内は驚きに包まれていた。あや美とみちるはオロオロ状態だ。 「大丈夫…大丈夫だから」 ちょっと、と言って、トイレに駆け込んだ。 『悔しい。四方堂君のバカ』 涙と嗚咽が途切れることなく噴出していた。 『今、あの子達に心配をかけてしまっている』 職場で泣き出すなんて。この後始末をどうつけたらいいのか、私は途方に暮れていた。
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