12.三つの恋と三つの愛(一)

4/25

49人が本棚に入れています
本棚に追加
/310ページ
定時後、『お先に失礼しまぁす!』との、あや美の元気な声に、同僚達は、『いいなぁ、女子会』『楽しめよぉ』『ナンパされるなぁ』『飲みすぎるなぁ』と、口々に送ってくれた。田中君はいなかった。 お店の予約は特に取らなかった。新宿まで移動して、広めの店舗スペースのワインバーをチョイスしたので、大丈夫と踏んでのこと。 移動の道道も、楽しくお喋りが止まらない。特にあや美が。 みちるは、どちらかと言うと、飲み会で騒ぐような気質ではなく、落ち着きのあるタイプなのだ。 お店に到着した時点でワインバーの席はまだ半分ぐらいだったので、余裕で窓際の夜景が見られるというテーブルに着くことができた。 ワインバーだからワインという堅苦しさはなく、私はビールを注文して2人はデキャンタでロゼワインをシェアすることに。料理は、面倒だからと、コースを頼んだ。 「とりあえずカンパァイ!」 と始まって、職場の話題中心に女子会が始まった。 女子会など、ほぼ経験が無いようなものだから、ここは慣れてそうな後輩達に任せる気分だった。 話題は多方面に渡り、あちこちにいきなり飛ぶ。 そのうち、酔いも回ってきた。私は3杯目のビール、2人は、ロゼを飲んだ後は、白をやはりデキャンタで頼んでいた。 私もワイングラスを貰って、白ワインを分けてもらう。やはり、南雲さんと飲んだものとは数段違う。銀座と新宿の差だなぁと納得。
/310ページ

最初のコメントを投稿しよう!

49人が本棚に入れています
本棚に追加