12.三つの恋と三つの愛(一)

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あや美もみちるも、ほぉぉっと言ったきり絶句していた。呆れたのか感心したのか。ややあって、みちるが口を開く。 「意外です。芽衣子さんがそんなことを画策していたなんて。よっぽど早川先輩を大切に思ってるんですね」 みちるはどのタイミングからか、あや美のように、芽衣子さんと呼んでくれるようになっていた。 「先輩には、返し切れないぐらいの恩があるの。でもね、滝沢さんの件が起こるまで、薄情にもその事を忘れていたし、知らなかったこともたくさん。だから、恩返しするなら今しかないと思ってる」 そっか、とあや美は、グラスに残っていたワインをクイッと飲み干した。 「芽衣子さん、私、応援します!陰ながらでもっ」 「私も、私も。なにかあれば、必ずお手伝いしますから、当てにしていてください!」 「ありがとう。頼もしい後輩で私は幸せだわぁ」 『お二人、上手くいくといいですね』で、この件は、後の第2回企画室女子会での報告を約束させられた。『上手くいったらね』と、一応この場の沈静化のために付け足した。 さて、お腹もパンパンだし、飲んだしで、二次会に行こうということになり、私たちは割り勘で支払いを済ませて店を出た。 胃袋と肝臓のキャパが同じぐらいなので、気を使わなくていいのがいい。 二次会のカラオケは、なんとなく年代のギャップは感じたが、そこそこ酔っていたせいで、構わずはしゃぎまくった。 『女子会、楽しいぃぃぃ!!』
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