49人が本棚に入れています
本棚に追加
/310ページ
あや美もみちるも、ほぉぉっと言ったきり絶句していた。呆れたのか感心したのか。ややあって、みちるが口を開く。
「意外です。芽衣子さんがそんなことを画策していたなんて。よっぽど早川先輩を大切に思ってるんですね」
みちるはどのタイミングからか、あや美のように、芽衣子さんと呼んでくれるようになっていた。
「先輩には、返し切れないぐらいの恩があるの。でもね、滝沢さんの件が起こるまで、薄情にもその事を忘れていたし、知らなかったこともたくさん。だから、恩返しするなら今しかないと思ってる」
そっか、とあや美は、グラスに残っていたワインをクイッと飲み干した。
「芽衣子さん、私、応援します!陰ながらでもっ」
「私も、私も。なにかあれば、必ずお手伝いしますから、当てにしていてください!」
「ありがとう。頼もしい後輩で私は幸せだわぁ」
『お二人、上手くいくといいですね』で、この件は、後の第2回企画室女子会での報告を約束させられた。『上手くいったらね』と、一応この場の沈静化のために付け足した。
さて、お腹もパンパンだし、飲んだしで、二次会に行こうということになり、私たちは割り勘で支払いを済ませて店を出た。
胃袋と肝臓のキャパが同じぐらいなので、気を使わなくていいのがいい。
二次会のカラオケは、なんとなく年代のギャップは感じたが、そこそこ酔っていたせいで、構わずはしゃぎまくった。
『女子会、楽しいぃぃぃ!!』
最初のコメントを投稿しよう!