13.三つの恋と三つの愛(二)

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ランチを済ませ、急いで出社した。室長と次長は会議。男性達はフード関連の試食検討会から戻っていないと田中君から。 席に着くなり、あや美が寄ってきて、いの一番に尋ねる。 「早川先輩と南雲さん、どうでしたぁ?」 どうやらみちるも気にしていたようで、こっちを見つめている。あや美のした質問の答えを待っているようだった。 「ばっちり。上手くいきそうよ」 私は指で丸を作って、ウィンクまでして見せた。 2人は両手を口元に持っていき、喜色満面。やや興奮。ちょっと顔が紅い。あや美は瞳をキラキラさせながら、ガッツポーズまでしていた。 「あとで詳しく話すから」 「できたら第2回女子会をやりましょうよぅ」 私は苦笑した。 「頻度、多くない?」 考えとくと言い、私は仕事を始めた。あや美は不服そうに『ええぇ』と唸っていた。 広瀬の言葉を間に受けたわけではなかったが、今日は真っ直ぐアパートに帰ろうと思っていた。 やっぱり、あんな言葉を言われてシカトするっていうのは悪いよね。あの時、既にシカトしてしまったようなものだけど…。 月曜から残業など誰もしたくはない。だけど、状況が許さないこともある。 自分ではかなり成長したつもりだけど、手際が悪いのは持って生まれたものでどうしようもないのか。 あや美は次長からの指導でメキメキ仕事量が増え、それをこなしてきている。 私はといえば、後輩達の仕事を見ながら、かつて四方堂君が担当していた量の半分ぐらいしかやれていない上に、要領が悪いのだから、上司にしてみたら、将来性のあるあや美の方が指導のしがいもあるってものだ。
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