49人が本棚に入れています
本棚に追加
定時を大幅に過ぎて、全員が一緒にオフィスをあとにした。
このあとは、四方堂君たち男性陣は街へ繰り出す。私はみちるとあや美と3人で、駅へと向かっていた。
道道、私は、みちるへ謝るべきことがあったと思い出していた。もちろんショーツのことではなく。
「ねぇ、みちる。私たち、みちるに謝らなきゃね…ごめんなさい」
歩きながらだったけど、一度止まって、みちるに頭を下げた。あや美も、一緒にそうしていた。
「え?どうしてですか?謝るのは私です。今日のこと、本当にごめんなさい。それに、今までずっとごめんなさい!」
みちるも私たちに頭を下げたものだから、道行く人から異様な目で見られた。
なんとなく、笑ってしまった。
みちる、ちゃんと話してみれば分かる、素直でいい子だ。そういう事を知らずに過ごしてきた日々が、ずい分勿体無かったと思えた。
「でも、どうして?」
みちるはもう一度同じことを聞いた。
「私たち、お昼休みまでみちるの事を疑っていたの。あや美がアレコレ聞いてきたでしょう?あれはあなたから聞き出したくて、あや美を偵察に出したの」
「あぁ…やっぱり。あや美さんが私を誘うなんて珍しいと思ってた」
駅で2人と年末の挨拶を交わして別れた。
あや美もみちるも、笑顔で手を振ってくれたので、今日の禍根を残してないと思え、安心した。
この件で、この2人を巻き込むのは今日で最後。私はそう心に決めていた。
年内は忙しいだろうから、年明けにでも、早川先輩と連絡を取ろうと考えていた。
最初のコメントを投稿しよう!