3.不信

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定時を大幅に過ぎて、全員が一緒にオフィスをあとにした。 このあとは、四方堂君たち男性陣は街へ繰り出す。私はみちるとあや美と3人で、駅へと向かっていた。 道道、私は、みちるへ謝るべきことがあったと思い出していた。もちろんショーツのことではなく。 「ねぇ、みちる。私たち、みちるに謝らなきゃね…ごめんなさい」 歩きながらだったけど、一度止まって、みちるに頭を下げた。あや美も、一緒にそうしていた。 「え?どうしてですか?謝るのは私です。今日のこと、本当にごめんなさい。それに、今までずっとごめんなさい!」 みちるも私たちに頭を下げたものだから、道行く人から異様な目で見られた。 なんとなく、笑ってしまった。 みちる、ちゃんと話してみれば分かる、素直でいい子だ。そういう事を知らずに過ごしてきた日々が、ずい分勿体無かったと思えた。 「でも、どうして?」 みちるはもう一度同じことを聞いた。 「私たち、お昼休みまでみちるの事を疑っていたの。あや美がアレコレ聞いてきたでしょう?あれはあなたから聞き出したくて、あや美を偵察に出したの」 「あぁ…やっぱり。あや美さんが私を誘うなんて珍しいと思ってた」 駅で2人と年末の挨拶を交わして別れた。 あや美もみちるも、笑顔で手を振ってくれたので、今日の禍根を残してないと思え、安心した。 この件で、この2人を巻き込むのは今日で最後。私はそう心に決めていた。 年内は忙しいだろうから、年明けにでも、早川先輩と連絡を取ろうと考えていた。
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