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着いた先は、駅から少し歩いただけの公園。 「ちょっとだけ踊りたいから」 イシくんの荷物を受け取りベンチに座る。 音も無い中、イシくんはリズムを刻み、身体を動かし始めた。 ストンプで音をとり、アームスイングが細かな動きをする。 何を表現しているかは、分からない。 でも、何かを訴えかけるかの様に。 アッという間に汗だくになり、キラキラ光ってみえる。 やっぱりスキだなぁ。 イシくんのダンスをウットリと眺める。 真剣そのものの彼は輝いてる。 不意に視線がぶつかる。 それはきっと気のせいじゃない。 「ふぅ……、はぁ、満足した」 「元気だねぇ」 「オレまだ若いから」 あ、そーだった、イシくんは年下だったんだ。
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