木曜日は図書室に

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……恥ずかしい。 穴があったら入りたい。 「あの、えっと、初めて、で」 「では……」 彼女の説明を聞きながら、ちらちらと顔を見てた。 さりげなく耳にかける、さらさらの長い黒髪。 白く、すべすべの肌。 黒目がちな瞳。 そして男とは違う、いい香り。 「返却は一週間後になります。 ……ほかになにか?」 「えっ、あっ、……はい。 わかりました。 ありがとうございます」 急に合った視線に、わたわたとみっともなく慌ててしまう。 心臓が痛い。 顔が熱い。
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