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ちょうど奥にいた人がエプロンをつけていたので、あの人じゃない?と指をさすが、その指の方を向いたノアがしばらく固まっていたので、どうしたのと聞く。
「いえ、あの方なら納得です。元王宮の料理人です」
「そんな人が何でこんなところにいるんだろ?」
「兄の話では腕を怪我して辞めたときいていたのですが」
「話してくる?俺待ってるし」
「いえ、私は面識がないので。食べたら何処か行きたいところはありますか?」
「急に言われても……あ、何かここでの遊びみたいなもの無いのかな?」
「遊戯物ですか?」
しばらく考えているようだったが、食事がすんだら行きましょうと言われたので、急いで食べる。
着いていった場所は何かの格闘場のようで、入り口が二つある。
「奏太様、見ての通り格闘場です。賞金も出ますし、お出になられますか?」とにこにこしているので、どうぞと身ぶりだけで観覧席の方へと行く。
少しお金は持たされていたので、飲み物だけ買い、一番前の席に座る。
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