疑問

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 ああ、そうか。  やっとわかった気がする。  ずっと感じていた疑問。  この男が自分に構うワケ。  自分がこの男に弱いワケ。  突然クツクツと、肩を震いだした春日を見て、有沢は眼を丸くする。  訝しげに顔を覗き込むと、春日は口元に手を当てて、必死に笑いを耐えているようだ。  ポーカーフェイスの春日には珍しい光景。 「どうした?」 「先輩」  涙目を擦りながら顔を上げると、なにがなんだかわからないという表情の有沢が眼に入った。 「俺、先輩のこと好きですよ」  たっぷり10秒間。  短いようで長い時間。  沈黙を破ったのは有沢の音の外れた咳払いだった。 「・・・・とりあえず、まぁ・・・・次もサボるか」 「そうですね」  空を見上げながら呟かれた一言に、春日は苦笑しながら頷いた。
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