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高等部に入ると、周辺の女子高の生徒から「きれいでかっこいい王子さまみたい」とアイドル的に騒がれるようになり、とうとう王子さまの呼び名がついたというわけなのだった。
「恥じらいはいつの時代も必要だよ、祐樹。デート相手があんまりストレートに欲望あらわに押して来たら引くだろ? そこはじょうずに隠していかないと」
「そう?」
河野の発言に祐樹は首をかしげている。
「押されても別に引かないけど?」
「バカ、なんで男のお前が押される前提なんだよ。お前が押すほうだっての」
「ああ、そうか」
そういいながら、それでもよくわかっていない顔だった。
男子の欲望などこれっぽっちも感じさせない祐樹だから、それも仕方ないかもしれない。
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