プロローグ

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観客がコロシアムの中心で戦う2人の戦士を興奮した様子で見守る その理由は20連勝中のルーキーVS18才にしてチャンピオンに立つ絶対王者アイズ・ラース この二人の対決が目の前で起こっているからである ウェアウルフのルーキーは生まれながらにして授かった天性のスピードを活かして今までの対戦を刹那とも思える時間で終わらせてきた 対する絶対王者は人間の身でありなから、チャンピオンになった前代未聞の人間… 人間離れしたスピードとパワーが可能にした結果である 観客の下馬評は1対9でリルクに傾いていた ウェアウルフは全身鎧で身を守る格好に対し青年は上下青色が主体のジャージに腰に剣が1本… 明らかになめている格好だが誰も文句は言えなかった それは201戦201勝という数字が全てを表している すべての対戦でかすり傷も負ったことのない実力はこの試合でも発揮されていた ウェアウルフの男が目にも止まらない早さで拳を出すが青年は攻撃を避けタイミングよくカウンターを入れる 下馬評通り試合が始まってから5分弱…その試合は圧倒的なものだった 片や満身創痍、片や傷一つもついていない… 「クソォー!!」 男はボロボロになりながらも拳を止めなかった 突如青年は避けながら涼しい顔で平然と言った 「お前弱いな」 男はその言葉に攻撃を止めると憤怒の表情を露にした 「貴様…なめるのも大概にしろ!!」 男の態度に青年は顔から表情を消しため息をついてから、剣を抜いた 「そんなに自信があるなら今から殺す気で行くから死なないようにしろよ??」 次の瞬間青年がとてつもない大きさの青いオーラを出した 男は本能的に体を震わせ顔が恐怖に染まる 男の様子に青年は面白そうに笑った 「それじゃあ行くぜ??」 さらにオーラを増大させながら笑みを増していく青年に男は震える声を出す 「俺が悪かった、投了するから許してくれ…」 「もう遅ぇよ」 青年はゆっくりと1歩1歩男の元へ足を進める 「ひっ!」 男は恐怖のあまりに足が自然と後ろへ下がった 「そこまで!勝負ありです!」 突然響く審判の声に一拍置いてから観客の盛大な歓喜の声がコロシアムを包んだ 青年はつまらなそうにオーラを引っ込めると審判である女性に話しかける 「ハナ、もうちょっとで良いところだったのに邪魔するなよ…」 「幼馴染みを人殺しにはさせません!」
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