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『隊長、こっちも調査終わりました』
星の植物を検査していた部下から連絡が入る。
「首尾はどうだ?」
『もうすごいとしか言えないですよ。ちょっとこちらにいらして下さい』
「わかった、すぐ行く」
イノダは期待に胸を躍らせながら、船外へ出る。
この星の大気は地球と同じく窒素や酸素を含んでいた為、宇宙服なしでも活動できた。
まるで自分たちが訪れる為にあつらえたかのように、何もかもが整っていた。
「この植物です。この実の部分が食べられるようです」
そう言って部下は、実を一つもぎ、口に含む。
イノダは部下に続き、灰色の四角い実を手に取って口に含む。
「うむ……」
実の表面はサクサクとしていて、パイ生地のよう。
実の中には、冷えたチョコレート状のあんが詰まっていて、それがまたパイ生地と合う。
「隊長、ホワイトチョコレートのもあるみたいです」
「何、更にバリエーションが?」
地球にも似たようなお菓子があったが、この実はあれを何倍もうまくしたような味だった。
しかも実のなる植物は、見渡す限り草原のようにあちこちに広がっている。
いくらでも好きなだけ食べ放題なのだ。
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