お菓子の星

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 「ん、何だ?」  一瞬ふわりと体が浮き上がったと思うと、急に隊員たちの周囲だけが、空間を切り取ったように暗くなった。  さっきまで頭上に見えていた星や、砂糖でできた地面も見当たらない。  「隊長、これは一体」  「とにかくまずはライトを点けて状況確認だ」  イノダがライトを点けると、照らし出されたのは、不気味に蠕動する赤色の肉壁。  「隊長、まさかこの星は宇宙提灯アンコウの……」  ずるり。  イノダの頭に、生暖かく、ぬるりとした液体が降ってきた……。
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