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―深夜2時―
0:00に終わる予定だった仕事が2時間延長した。
眠いせいか、コンタクトが渇いて目が痛む。
目薬が苦手なあたしは、あくびを一度してコンタクトを潤わせた。
ロッカールームに行き、私服に着替えて会社を出た。
外にはちょろちょろと人が歩いていた。
車の通りも少なく、信号が赤でも車が来なきゃ普通に渡っていた。
会社から徒歩で約20分。あたしの住むマンションに着き、エレベーターのボタンを押す。
エレベーターの中はクーラーが入っていて、夏でもわりと涼しい。
カバンの中からキーケースを取り出して右手に持つ。
『チーン…5階です』
ガチャ…
ガン!!
ユキ「は?」
鍵を開けたはずなのに、逆に閉まっていた。
もう一度鍵を開けた。
ガチャ…
ユキ「…なんで?」
恐る恐る部屋に入り、玄関の電気をつけた。
「お、よぉ!」
何もなかったかのように笑顔で出迎えてくれたのは、あたしの彼…『和(カズ)』だった。
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