第1章

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 人ひとりがやっと通れるような狭い路地の奥で、彼は身体を縮めてうずくまっていた。  寒さに震えながら、彼はこの黄昏が完全に夜の闇に包まれるのを待っているのだった。この姿を…人目に晒したくなかったからだ。  だが、ここがどこなのかもわからない。どうやって戻ればいいのだろう。
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