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ついにやってきたバレンタイン当日。
あの日から試作に試作を重ねて作り上げたガトーショコラ。自分でも納得のいく出来に仕上がった。
大吾に沢山試食させ過ぎて、最後「もう食べたくない」と泣かせてしまい、ママに怒られちゃったけど。
夜更かししたせいか、少し重たい瞼を擦りながら、3限の授業を受ける。
窓の外を見ると空は晴れ渡っていてなんだか清々しい。自分の心をそのまま映し出してるようだ。
だけど、それ以上に暖房の効いた教室のぽかぽかした温かさが私を包み込んでいって、そのまま私は微睡みの世界へと誘い込まれていった。
「冴島、俺のために作ってくれてありがとな」
岩島君はあの時見せてくれた優しい笑みを私に向ける。思わず嬉しくなって私も笑顔になる。
だって岩島君のために作ったんだもの。
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