窓際のカンケイ

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「さてと…」 夕食を済ませた後、私は1人キッチンに立つ。 腕まくりをして気合を入れた後、料理本とノートを開いて、試作品作りに取りかかった。 岩島君の表情や会話を思い出しながら、何を渡そうかを考える。 …よし、やっぱりアレだな。 私はもう作るお菓子を決めていた。岩島君が「好き」と言ってくれたアレ。 「ねーちゃーん、何作ってんのー?」 弟の大吾が国語ドリルを片手にして声をかけてきた。 「んー、ちょっとねー。あ、大吾。できたら試食してくれる?」 「マジで!?やった!」 大吾は飛び跳ねるようにして声を明るくした。 「ねーちゃんの作るお菓子サイコーだもん!」 「よし!じゃあお姉ちゃん頑張っちゃおうかなー!」 嬉しそうな大吾に笑い返す。 岩島君もこんな風に喜んでくれるといいな… 私はあの時見せた優しい笑顔の岩島君を想いながら、岩島君が「好き」と言ってくれたガトーショコラの試作品をどんなものにするか、思考を張り巡らせていった。
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