その3

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やっと本格的に保険の勉強が始まった。 資格が取れないと仕事にもならないので、まずは試験のための勉強をひたすらしていた。 そして社員はバイト生より一時間早く出社し、一時間遅く退社することになっていたため、その前後は自習の時間にあてられていた。 私と狐目青年(以降、きつねくんと称す)は若さ故にかもともとの気質かは分からないが、集中して勉強に取り組んでいた。 しかしおっさんトリオはと言うと、、、 「ちょっと、一服しにいきます。」 「飲み物買いにいきます。」 「トイレ、、、。」 などなど、非常に落ち着きがなかった。 (小学生かい!!!中学生でももっと集中力あるぞ!!!) 前職の関係でこのようなことを思わずにはいられなかった。 あまりに雑談がうるさかったので、ついついテキストを乱暴に開き音をたて、イライラしてるアピールをしてしまった。止めの一撃として、 「、、、チッ。はぁ、集中したらええのに。」 心の声を口から漏らしてしまった。 静かにはなったが、気まずい空気が流れたことが私にも分かった。 だがこれ以降うるさくなることはなかったので、どうやら最年少者の怒りは効いたようだった。 この時点でおっさんはただのおっさんであり、むしろ集中力のないおっさんであったため、私の中の印象はダダ下がりだった。 なのに、いつ、どのタイミングで好きになったのだろうか、、、 書きながら思い出していきたいと思う。
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