その2

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「くまちゃん、新しい職場どーお?」 「、、、。まぁボチボチですね。」 「そっかぁ!大変だと思うけどお店と両立頑張ろうねっ!」 「ハイッ!ガンバリマッス!」 心にも思ってないやりとりをママとしていたら、お客さんがやってきた。 【葉子】は常連さんが多く、客層もいい。私が新しい仕事を見つけた時も、誰もが激励してくれた。 いつものように水割りを作っていたら、さっそく仕事のことを聞かれた。 私は待ってましたとばかりに披露した。 「聞いてくださいよぉー。同期がみーんなおじさんで、1番上の人とか40ですよ??職場恋愛にかけてたのに失敗ですよー(笑)」 客1「え、あ、そうなんだ(笑)へぇー、おじさんなんだぁ、、、。」 おやおや?やけに反応が悪いぞと思ったら、時既に遅し。 客2「くまちゃぁーん。頼むよー(笑)40でおじさんとか言わないでくれよー(笑)もっと俺たちに夢を見させてよぉ(笑)」 は!!! (YABEーーー ) この時はすっかり忘れていたが、葉子の常連さんはアベレージ48、いや50を超えててもおかしくない面々であった。安かろうが場末だろうが水商売。それなのに私は色を使うのを完全に放棄していた。 「すみません!でも職場の人と違ってみなさん全然若いですもん!おじさんってかんじしませんよー!」 慌てて付け足したものの、手遅れ感が満載だった。 その後場は持ち直したが、お姉さんに小言を言われ、ママには嗜められ、夜の方も失敗ばかりの1日だった。 (やらかしたぁー。そして飲んでても昼間に仕事があるもんなぁー。) 酔いが覚めぬ頭でこのようなことを思い、帰路についたのだった。
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