0人が本棚に入れています
本棚に追加
/3ページ
私は紗理沙ごく普通の女子高生のはず。
両親は共働きで兄妹はいない。
狭い自室で今日も勉強をしている。
何のためにと聞かれると一番困る質問だ。
良い大学に入って、それから……別に夢がある訳でもなく。
それなりの人生が過ごせれば良い。
そんな事の為に勉強するのかと言うと言葉に詰まる。
時々、遠い外国で暮らしたいとぼんやりと考えたりすることがある。
幸せって何だろ?
ごく普通の人生が幸せのはずなのによく分からない。
今はだだ、机に向かい勉強する。
今日は国語と世界史の勉強をする事にした。
誰に言われた訳ででもなく文系に進むことになっている。
学部は法学が良いと皆が言うけどまだ経済学の方が良いと思っている。
翌日
隣の席に見慣れぬ女子が座っている。私の席は一番後の窓から一つ空いた席だがその空いた窓際の席に座っているのだ。
「お、おはよう」
とりあえず挨拶だけでも。
「重力波の観測にどう思う?」
「えぇ?」
それは唐突な出会いであった。
そう彼女は理系女であった。
最初のコメントを投稿しよう!