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1日休みを貰った日は、一体いつの事だろう。
入社2年目の僕は、そんな疑問さえ口にすることを許されない。
新入社員として配属されたこの部署で、僕の上司になった部長は、仕事熱心で親切で、部下を大切にする素晴らしい人だった。
心から尊敬するし、信頼している。
幸い僕を気に入ってくれているため、部長に付きっきりで仕事に励み、充実した日々を送っているつもりだ。
でもこの2年間を振り返れば、僕の生活には仕事しか残らない。
休みが欲しい。
肉体が悲鳴をあげている。
定時をとっくに過ぎたオフィスには、もう僕しか残っていなかった。
溜め息をついてパソコンから顔を上げ、傍らのスマホを手に取った。
Facebookを開く。
次々と、40人程度の『友達』の投稿が上下に流れる。
以前は『いいね』を押していたが、もう、それもやめた。
『友達』といっても、他人のようなものだ。
100人も200人も、薄っぺらい友達だらけの人たちが、僕には信じられない。
そんなに友達がいても、コメントは片手ほどしか入っていないのに。
文句があるのなら、Facebookをやめればいいのだろうけれど。
僕はずっと、探している人がいるから。
彼が始めてくれるのを、ずっと待っている。
「おっ、お疲れさん! どうにかなりそうか?」
不意に背後から掛かった声に、僕は急いでスマホを片付けた。
「誠心誠意、謝罪するしかないかと……」
「まあな。とにかく明日は、一緒に回ろう」
「はい」
ポンと肩を叩かれて、背筋が伸びた。
企画書を作成し直すには、まだまだかかる。
恐らく今夜は、徹夜だ。
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