78人が本棚に入れています
本棚に追加
「何度いえばわかる!?
ここは我々、近衛隊のテリトリーだ!
公子付きの警護隊は引き下がってもらおう!」
「お前はバカか!?
この非常事態に縄張り争いしている場合か!?」
その頃、小笠原副隊長は深紅の制服姿の大公付き近衛隊と激しく言い争っていた。
「何と言われようと我々の隊長の命令だ!
さっさと帰って──」
融通の利かない目の前の近衛隊を、思い余ってぶん殴ろうかと小笠原が考えたその時だった。
「……お前らの隊長が何だと?」
聞き慣れたその声に小笠原が期待を込めて振り向くと、
まさに鬼の形相となった鬼武千早が立っていた。
最初のコメントを投稿しよう!