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向日葵は風に揺れる。花びらが少し散る。春のものに似ていた。
大地に染み込む血肉は向日葵の糧となる。
つまり私も向日葵の一部であり。
ようこそ。
夜の向日葵は私を迎え入れた。
逃げられない。
もう何からも逃げられられやしないのだ。
僅かに残る私の理性が拒絶しようにも。
埋まる日は近い。
この体は果たして必要なのか。
それでも×は×すんだろうな。
可哀想だ。なんて可哀想なんだ。
ゆっくり立ち上がり、私はその場を離れた。
向日葵は悲しいほどに私を優しく見送る。
あれらも夏が終えれば散っていくのだろうか。
そして、私もそうなるのだろうか。
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