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30歳と11ヶ月。
ふと。
ピアスの穴を開けたいと思った。
私は金属アレルギーで、それ以外にも肌が弱く、アクセサリーの類を身につける事が出来ずに長年地味な女をやってきた。
好きで地味にしている訳ではないけれど、服装や化粧だけで華やかさを演出するには私の顔は塩すぎて…
アクセサリーひとつで華やかさが演出できる等、なんて便利な物なんだろうかと、近年、歳を重ねて感じる機会が増え。
しかし…今更耳にピアスホールを開けるのかと真面目に考えると、思い留まってしまう程度にはやはり私は保守的なのだ。
親から刷り込まれた考え方というのは簡単に拭い去ることが出来ないのだと知る。
私の親は、晩婚の高齢出産だった所為か、周囲の親よりも一回りほど年上で、近年稀に見るお堅い頭の持ち主だったと思う。
学生時代、ピアスはおろか髪を染める事さえも中々許して貰えず、門限も17時間~18時までと設定されていて、部活が終わったら一目散に走って帰らなければとてもじゃないが間に合わず。
携帯電話すら持つのを禁止されていた為、帰宅が遅れるなら連絡をという約束にも、連絡手段が公衆電話と決められていた。
携帯の普及でどんどん減って見つからない公衆電話からの連絡は難しく、帰宅時間が過ぎれば家に入れて貰えないという程度には、親は厳しかった。
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