あなたに会えたなら

2/2
前へ
/2ページ
次へ
ねえ、覚えてる? あなたに初めてあった時の事。 職場の先輩からの紹介で、あなたに知り合った。 始めは、お互い無口。 何から話していいのか分からなかったから。 だから、ご飯が進んで。 ふと、あなたは気付いたのよ。 私の口元に、ぽつりと浮かぶ、ご飯粒。 けれども、それをあなたは言わないで、 何故か、あなたまで口元にご飯粒を付けた。 それを見て、私は驚愕したけど。 にっこり笑ったあなたは。 自分のご飯粒を指さす。 私は、首を傾げながら真似したら。 同じ所にご飯粒。 恥ずかしかったけど、それよりも先に、笑いが込み上がり、互いに大笑いしたわね。 それがキッカケで、会話が弾んだわ。 沢山話したわね。 色んな人間模様から、仕事のこと。 家族、自分のこと。 話が尽きなくて、あっという間に帰る時間に。 寂しい気持ちが沸き上がり、 帰ってからもメールしたわね。 終わり際、あなたから受け取る可愛い絵文字付きの 「おやすみ」。 ギャップに萌えたわ。 それから、トントン拍子。 あなたと結ばれ、あなたに近くで「おやすみ」を、言えるようになったわね。 あなたの、甘い。低い声で言われるの、大好きだった。 でも。 今は。 「おやすみ」は言わないで。 あなたと、会えなくなっちゃうじゃない。 お願い、 「おやすみ」じゃなくて、 「ただいま」にして。 帰ってきて。 私の大切な人。 お願い。 私を 置いて 「逝かないで」
/2ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加