第1話 暗殺者、拾いました。

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―15― 騒動があった次の日の朝、空木の部屋のチャイムが鳴った。まだ朝食を食べる前だった空木は、不思議に思いながらも玄関の扉を開ける。そこには、ツインテールの少女が、モジモジとしながら立っていた。 「どうしたんだミク?何か用か?」 「え、えっと……その、用……ってほどでも、ないんだけど」 頬を赤くしながら、深紅はボソボソと口にする。 「そ、その、昨日は……あ、あの……」 今一つ要領を得ない喋り方で、深紅は途切れ途切れの言葉を紡ぐ。 「なーウツギ、朝食はまだかー?」 その時不意に、空木の背後からシロの声が聞こえてきた。彼女は短い廊下を渡りながら、空木の背後からひょっこりと顔を出す。その視線が、深紅とバッチリと合った。 「お、ツンデレ同級生!」 「だ、誰がツンデレよ!?っていうか、あんた誰よ!?」 「私か?私は……そうだな……」 空木を間に挟み、騒がしく会話がなされる。空木はそれを聞きながら、げんなりとした顔をしていた。 「訳あって、住む場所がなくてな。空木に、衣食住を提供してくれるという条件で雇ってもらってる者だ」 「雇う?住む場所のない女の子を雇う……って、まさか!?」 深紅が、汚らわしいものでも見るような目を、空木に向ける。それを見ながら、「たぶんものすごい誤解をされてるんだろうな」と、空木は思った。 「シロ、もっとちゃんと説明して」 「む?それは、キミが私にしたあんなことやこんなことをか?」 「なっ……!?」 それを聞いた瞬間、深紅は顔を真っ赤に染める。すると彼女は、プイッとそっぽを向いた。
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