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「……で、こいつらは何?」
目の前でのびている二人の少年少女を見て、空木は首を傾げる。
「さあな。たぶん、この間とは別の『魔術師殺し』だろう。この間そのツンデレ娘を仕留め損なったから、また別なのをよこしてきたんじゃないのか?」
「だから、誰がツンデレ娘よ!」
頭の後ろで手を組んでいるシロに、深紅は食いついた。
「まあ、概ねシロの推測で合ってるんだろうな。まったく、暗がりからいきなり襲い掛かってくるから驚いたよ」
「おまけに、この間戦った連中よりも多少は歯ごたえがあったしな。そこの少年、銃の周りの空気を操って、空気抵抗を減らして加速した弾を撃つとか、なかなか手の込んだことをしてきたぞ。あれはたぶん、ルーン魔術か何かだな」
「こっちの女の子も、ハサミとか針を溶けるくらいの高温にして、自在に操ってきたわ。正面から受け止めると、溶けた金属が飛び散って、大変だった」
結論から言うと、突如襲ってきたブロンドの髪の少年たちは、シロと深紅の手によって返り討ちにあった。目を回しながら伸びている二人は、中学生くらいの背格好であり、きちんとした身なりは育ちのよさを感じさせる。瓜二つの二人の顔は、まるで人形のように美しかった。
「ところでミク、また腕を上げたんじゃないか?あんな風に炎がブワーってなるやつ、初めて見たぞ」
「まあね。あたしだって、日々の練習を怠っていないもの」
空木に褒められると、深紅は得意げな顔で腕を組む。だが、不意にその表情が曇った。
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