五章 背徳の讃美歌

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・ 何度も押し寄せる疼きを耐えていると、キリストの肉厚な舌の根本で肉壁の上部を押し上げるように擦られ、同時にマリアは声にならぬ声をあげた。 「はあっ…っ…っ」 果てた後も細く白い躰が痙攣し続ける… 呼吸の荒いマリアの恍忽とした顔を覗くとグレイは震える唇を塞ぐ 「マリア…よくやった。実に上質な香りだ…可憐な清い香りがこんなに溢れ俺を誘うことはそうない……」 「ああっ…っ…」 粘液をズズっとすする音がする。 尚も果てたマリアの中を貪ろうとする長い舌からマリアを退き剥がすと、グレイはマリアを抱き上げ歪んだ床に横たわらせた。 もう充分に血は甘い。 礼拝堂に香りが充満する程に… これ以上の仕込みは必要ない グレイはうっとり見つめてくるマリアを上から見下ろした。 「乙女よ……俺が欲しいか……」 果てた気だるい躰。でもまだ何かが足りない… 毎夜繰り返してきた自慰の行為。グレイに見すかされ、恥ずかしかった思いも今は初めて味わった甘い疼きに欲望の方が勝ってしまう… “神は欲望に忠実だ…” 分かる気がする… こんな疼き… もう知ってしまったら後には退けない──
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