五章 背徳の讃美歌

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・ 相手が得体の知れぬ魔物だということさえもが興奮に変わる… 空間のねじ曲げられたこの異常な状況にさえ… 躰が熱く燃えあがる… グレイは頬を高揚させたまま朦朧としているマリアを抱き起こし首筋に舌を這わした。 食事だけならわざわざ躰を貫く必要はない。 乙女なら先程与えた快楽で充分甘い血が頂ける。 「っ……あっ…お願っ…欲し、いっ……っ」 「──っ…」 グレイは自分を見上げ切実に求めるマリアを驚いたように見つめ返した。 「……ふ…」 欲望に飲まれた乙女に軽く笑いが零れる。 グレイはニヤリと口端をつり上げると、マリアを見つめたまま意味ありげな視線を投げた。 「よかろう……俺に捧げる気があるなら極上の快楽を与えてやる…」 …さあ、乙女 俺にかしづけ── さすれば狂うような悦楽を約束してやろう… 自ら溺れることを望むなら俺にその姿を晒けだし誓うがいい── マリアは見つめられたグレイに吸い寄せられるようにその下半身に手を掛けた…
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