五章 背徳の讃美歌

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聖女の園 乙女達の楽園 聖マリアンナ女学院 多くのシスターを育てる修道院。 厳格な戒律の下、修道を積む乙女達が慎ましく過ごす場所ではあるのだが……… 一人の男の存在が、静かな学院に小さな波紋を浮き上がらせていた。 グレイ・クロスフォード伯爵 ルナが奉公していたアルフォード家の専属家庭教師にグレイがなる前の話である。 大層な貴族の血筋 気品漂う顔立ちは育ちの良さを思わせる。 数有る歴史の古書を寄附し、書物の管理も担ってくれる眉目秀麗な青年会いたさに、修道女達は代わる代わる書庫を訪れるのだった。 男と言えば年老いた神父のみという質素なこの学院。 凛とした一輪の高貴な蒼い薔薇を挿したようにグレイはこの学院に鮮やかな華を添えていた──
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