五章 背徳の讃美歌

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・ 「あ…」 手を伸ばしながら高まる鼓動に急かされ小さく声が漏れる。 震える指でファスナーを下ろすとマリアは硬い膨らみにそっと手を添えた。 …っ…すごい…… こんなに硬くなるモノなのっ… 躰の奥が熱くなりジワリと子宮が疼く。 ため息を漏らして瞳をうるませながらそれに翻弄されるマリアをグレイは上から眺めていた。 すがりつくように膝ま付いたままマリアはグレイの前を肌ける。 「っ…」 初めて見る男の象徴。 抽象画で目にした同じモノが雄雄しく反り勃っている。 マリアは目の前のそれに喉をゴクリと鳴らした。 「ふ……見てるだけで満足か?」 ……っ… 蔑む含み笑いを溢しグレイはマリアの頭に手を置いた。 「欲しかったのだろう、これが…」 「あ……は、いっ…」 心臓が激しく脈打つ。 悦ばせるためにキリストの下半身に喰らいつく裸身の女神達。 書物で見たままの行為を自分が今からすることに躰が異常な程、高ぶってしまう。 マリアはゆっくりと開いた唇から舌を差し出した。
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