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犯しはしなかった。椎名はおれより力が強いのかとおもったらそうでもなかったし途中で抵抗をやめた。何をされるのか怯えていたにちがいなかった。酸素を奪うくらいのつもりでしつこいキスをした。雨はずっと弱まることなく降っていた。椎名は首筋に噛みついたらびくっとして鎖骨を舐めたら小さく呻いた。押さえた手首にはきっと濃くおれの指の跡がつく。体温が高かった。おれは下半身が熱を持つのを感じたしそれはたぶん椎名の太腿なんかに当たっていただろうけれど隠そうとはしなかった。椎名は胸をいじったら身体をよじるようにした。腹筋あたりを撫でたら震えた。ずっとかたく目を閉じていた。蛍光灯はついたり消えたりを繰り返していた。Tシャツの襟元から覗く肌に何度も噛みついた。とにかく暑かった。
おれは椎名を突き飛ばして逃げた。
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