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やみ夜のカラス
それは ガラス色の空
名前も国も 意味がない
年令性別 こだわらない
戸籍も故郷も 差別しない
眼下の町は 眠る箱庭
ぼくは時空を渡る 渡り鳥
ばくはここから 時間をこえて
何度も
何度も
居場所を
変えて
地下に埋もれた 宝箱
ぼくはここから 何を見る
眼下に浮かぶ 青い星
歴史に埋もれた 人々の
言葉を持たない 叫び声
自分のなかの 残虐さ
ばくはここから 何を知る
眼下に広がる 不幸の種と
あまりに非力な ぼくの腕
(世界を泣き尽くすには
人の生では短かすぎると)
吉原(幸子)さんは 言ったけれど
その生を 書き足そうにも
ぼくのペンでは モロすぎる
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