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もっと早く 走らなければ
あたりをおおう 黒い雨雲
黒い思惑は あたりに迫って
もうあんなに 夕空を駆ける
―このまま無事に 家まで
たどり着けるのだろうかー
辺境から 越してきた小学生には
まだ薄暗い
都会の時間には 追いつけなくて
いつも遅刻すれすれに
校門に 駆け込んだ
(息を切らすのはイヤだな)
(スゴク)
朝っぱらからじゃあなくても
朝から
祖父が唱える 読経の響き
時間割を ゆっくり見てから
蟹の歩行と わたしの横歩き
とかげの時刻表
寄道が本道の 子どもの登校
山の分校
―ほめ言葉じゃあないのに
悠久の時間―
それとも誰かが 郵便受けで
わたしの返事を
待っているとでもいうのだろうか
明日を知れない 命で・・
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