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崩壊の序曲
昔々、とある場所に住む夫婦に双子の姉妹が産まれました。
長らく子供に恵まれなかった夫婦は大変喜んだそうです。
双子の容姿はそこまで似ていなかったそうですが、一つだけそっくりな所があったのです。
それは、姉妹のどちらも魔眼という類い稀な才能を有していた事。
双子はそんな事にはとらわれず、すくすくと元気に育ちました。
しかし、双子が成長するにつれて魔眼の力も強くなってきたのです。
やがて双子の魔眼の力は暴走し、ありとあらゆる物を破壊し始めてしまいました。
困り果てた村の長は、遂には双子を処分する事を決めたのです。
勿論夫婦は反対しましたし、村の中でも意見は二つに分かれ対立してしまったのです。
ちょうどその頃でした。
双子よりも少しばかり早く生まれた男の子。名を『マオ』と言いました。
彼は多くの奇跡に恵まれ、数奇な運命からこの村で生を受けた存在でした。
マオと双子はいつしか仲良くなり、いつも一緒にいるようになりました。
それから双子の魔眼の力は暴走する事がなくなったのです。
そして、村に平和な時間が流れるようになった頃でした。
双子には変化が現れました。
それは、二人の魔眼が消えたのです。
姉は左を、妹は右をそれぞれ失いました。
時を同じくして、村ではもう一つ変化がありました。
数名の村人とマオが忽然と姿を消してしまったのです。
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