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深夜のコンビニ『L-L』深夜なだけあって、明るい時間なら大勢の人で賑わっているこの場所も、僕の他には店の店員くらいしか活動している人間は見あたらない。
深夜という現在を時間で表すなら、現在時間は2時30分だ。
高校生であるこの僕がこんな時間にコンビニにいるのには2つの理由がある訳なのだが、その内の1つはしょうがない事だから諦めるとしてもだ、もう1つに関して言えば全くと言っていい程納得がいかない訳で……
等と考えながら週刊誌を……と言っても当然にして漫画である訳で、暇潰しと現実逃避を同時に実現するべく、お店にとっては1円の足しにもならない立ち読み作戦を実行中なのである。
しかしながら普通の、健全で勤勉でこの上なく真面目な、決められたルールを遵守する店員であるならば、僕が行っているこの作戦は失敗しているはずなのだが、昨日までのルールが崩壊してしまった現在2時30分……32分現在ではしょうがない事なのかも知れない。
何があったのか。思い出そうとしただけでも体のあちらこちらが「痛み」を思い出し、立っている事が困難になる程全身が震えてくる。
と言うのは言い過ぎな訳であるが、本当に痛い思いもしたし怖い思いだってした 。
そのせいで体はボロボロだし、生きている事が不思議にさえ思える。
そんな事になったら当然と言うか自然に体だって震えてくる訳なのだけれども、それ以上に素敵で素晴らしくて、今まで体験した楽しい事よりももっと最高な出来事であったのは間違いないのだ。
だって……異世界が、漫画やアニメや小説の中でしか存在していなかった純粋なファンタジーな世界が、突然にして極めて自然に、限りなく荒々しく、全ての生命に対して平等に、最低と最高を撒き散らしながら僕の目の前に姿を現したのだから。
そう、全ては昨日の朝に始まった。
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