第十四章 空き地の空(あきちのそら)

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 天神の森の階段に行くと、あちこちで甘い声が聞こえていた。 「…………」  征響は正面だけを見て歩いているが、俺は横を見てしまった。 「印貢、階段だけ見て歩け」  倉吉に、後ろから顔の位置を訂正される。  来た時のカップルが、まだいるのか、少し気になっただけだ。 チラ見でしかないが、まだしていた。  階段を登りきると、俺は自分の部屋に帰った。  俺は部屋で、藤原の撮った映像を、野中に送信していた。 野中は、データをまとめてくれるという。  畳に寝転ぶと、ホーから連絡があり、左々を生きたまま移送できると連絡があった。 殺戮花嫁も、一緒に連れて行ってくれるらしい。
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