第一章 消える景色

10/24
前へ
/352ページ
次へ
「……動体視力もいいうえに、グランド全体が見えている」  でも、サッカーが下手であった。 「弘武、しっかり練習しろ。どうも、弘武は練習に集中力がないからな」  征響は、サッカーは練習と意地だという。  俺の集中力の無さは知っている。 だから、周囲の動きを把握はできるのだが、まだボールの動きを読めてはいない。 「征響、自分達の練習は大丈夫なの?」 「今から練習だよ。弘武、家に帰ったら倉吉が教えてくれたことをマスターしておけ」  征響が部員に号令をかけ始めたので、俺は帰る事にした。 走ると、フェンスを飛び越えて自転車の前に着地する。 ファンスは高いが、手を使えば容易に飛び越えられる。
/352ページ

最初のコメントを投稿しよう!

213人が本棚に入れています
本棚に追加