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「退院されたのですか?」
退院?後ろの少年を見ると、前にこの庭で撃たれた中学生であった。
「退院したのか。おめでとう!」
電話を置いて、俺は中学生と握手していた。
この庭で狙撃された時は、もう心臓の鼓動が止まりそうであった。
それが、今、生きて目の前に立っている。
「退院はしたのですけど、もう天狗はできません。
心臓を掠っていたし、肺を貫通していましたので、無理ができません」
本来ならば、久芳を恨んでもいいのだろうが、少年は明るい笑顔であった。
「生きていられて、本当に嬉しいです。
征響さんに電話をしたら、運動はできなくても、一緒に勉強をしようと言われました。
勉強をしに、又、ここに来るつもりです」
怪我で仲間を失うということは、本当に悲しい。
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